
今回は、都立大子どもまつり実行委員会の
井上 雄哉さん(人文社会学部 人間社会学科 4年)に、色々とお聞きしました!
ボランティアをやろう!と思ったきっかけは何ですか?
子どもと関わってみたいな、と思ったからです。
ずっと一人っ子の私は、たまに遊ぶ知人家族の幼い子と遊ぶのが楽しみでした。地元から上京して一人暮らしの大学生活の中で、そんな楽しみが出来たらいいなーという、正直ちょっとした思いで児童文化研究会に入部しました。児童文化研究会は人形劇公演を地域の子ども向けに行う歴史の深いサークルです(今年で創部70年)。
「きっかけ」という問いの回答からは逸れてしまうのですが、活動への思いの変化を話させて下さい。
児童文化研究会としての活動をしていく中で、今まで自分の中に眠っていた色んなモチベーションが頭を出すようになりました。
幅広い、色んな世代や立場の人を巻き込みたい、というモチベーションに駆られました。
「今の人形劇公演を地域の、もっと多くの子どもたちに観て欲しい」
「大学内の色んな部活・サークルを、地域の子どもを楽しませる活動に呼び込みたい」
「地域と都立大の“距離”を近づけたい」
こうしたモチベーションを抑えることが出来ず、「都立大子どもまつり」イベントの立ち上げ、実行委員会の立ち上げに至りました。この「子どもまつり」とは、南大沢キャンパス内で、大学内の複数のサークルとともに子ども向けのブースを出す、言わば子ども向けの大学祭です。
そんな今では「ボランティア活動を通じて色んな人と関わりたい」というモチベーションで活動しています。
今まで取り組んできたボランティア・今取り組んでいるボランティアは何ですか?
【出発点(原点であり、ボランティア活動に引き込んでくれた活動)】
- 児童館などを訪問して行う人形劇公演
- こども園などを訪問して行う絵本の読み聞かせ
- 「八王子人形劇まつり」への参加
- 南大沢の駅前ビルでの街づくり関連イベントに子ども向けブース出店で参加
【挑戦期(一歩踏み出した活動)】
- 大学講堂での人形劇公演
- 「都立大子どもまつり」の立ち上げ、運営
- 「南大沢夏まつり」の運営参加とブース出店
- 近隣小学校の防災キャンプ参加
【現在(もっと様々なボランティア活動に携わりたいという思い)】
- 南大沢地域の祭り参加(「宮上・下柚木秋まつり」「南大沢八幡神社祭り」「草むらまつり」など)
- チャリティー活動(「チャリティーサンタ」)
- 南大沢地域を盛り上げるために少しでも貢献できる活動を模索、構想中
▼「第2回都立大子どもまつり2024」その1
ブースで子どもたちを直接盛り上げる面白さに目覚めた瞬間です。

▼「第2回都立大子どもまつり2024」その2
運営者としての堂々たる姿!

▼「八王子人形劇まつり」
過去最高に楽しかった人形劇(?)公演でした。我ながら躍動感あります!

▼南大沢駅前のパオレビルで行われたイベント参加時
超楽しかったです。じゃりけんのハッピを着てる写真です。
ボランティア活動を通じ、一番印象に残っていることは何ですか?
「こういうのやってくれるのうれしいわ」。
第1回の子どもまつり当日、日が暮れてきた頃でした。ベビーカーを押して帰路に就くお母さまからかけられたこの言葉が私にとっては忘れられません。
今年(2025年)で3回目を迎えた「子どもまつり」ですが、第1回は本当に手探りで何とか形にしたようなものでした。当日は子どもたちの笑顔を南大沢のキャンパス内で見られて、かつ自分も本当に楽しい思いでした。その一方で、私の突飛な思い付きで当時の仲間をたくさん振り回してしまったな、子どもたちは本当に楽しんでくれたのか、今回のイベントに意義はあったのか、といった喜憂が入り混じる気分もありました。
そんな気分の中、かけられたのが先の言葉でした。
「うちの子も楽しんでて、、」と言ったお母さんの目線の先、ベビーカーにおさまったお子さんは遊び疲れたのか目をつぶっていました。
「目の前にいるこの親子が楽しんでくれたのだから、やる意義はあった!」と私は心の中でガッツポーズ。「知らない誰かからちょっとでも必要とされる喜び」も大きかったです。「絶対に第2回を開催するんや!」という意欲に燃えた結果、今に至ります。
「子どもまつり」は、今では本当にありがたいことに1000人を超す来場者の方に恵まれています。目の前の1人1人に楽しんでもらうという、言わば原点を忘れずに、、、と講釈を垂れたいところですが、最近は私なんかより後輩の方が「もっと子どもたち1人1人を見ていきたい」と息巻いています。頼もしい仲間に出会えることも、間違いなくボランティア活動の賜物です。
これからやってみたいボランティア活動はありますか?
日本全国、あらゆる地域のお祭りに参加することです。
「南大沢夏まつり」の準備に個人的に関わったり、都立大子どもまつり実行委員会としてブースを出店したり、といった経験から、地域の祭りが面白い!ということに私は目覚めました。
私は、地元に小さな夏祭りはあったけれど、そこまで思い入れがあった子ではありませんでした。
しかし、大学生として参加してみると見方が大きく変わりました。その地域に住む、幅広い世代の人、様々な立場の人が準備から当日まで関わるという特有の環境に、私はコレだ!と感動をしました。
いつしか日本全国の、こうした地域の夏祭りに運営で参加できたら楽しいだろうな、という思いになり、就活では全国転勤を必ず伴うような仕事を選びました。
いつか配属先の地域の祭りに、あわよくば運営に携われたら楽しいだろうな、と妄想しています。
神出鬼没と言われるほど、全国の色んな地域の祭りに参加してみたいです!
皆さんの地元の祭りにも、お邪魔していいですか?
ボランティアの魅力を一言でいうと?
ボランティア活動は「窓」だと思っています。
本当に幅広い世代、立場の方、言わば“社会”と関われることは、非常に楽しいです。
ボランティア活動を通じて、自分の知らない社会と繋がれる感覚があります。
そしてボランティア活動にいる人たちは、それぞれ若干違うモチベーションを持って参加しています。人を巻き込むのが好きな私みたいな人間もいれば、率直に子どもが好きな人、人のために汗を流したい人。モチベーションがそれぞれ若干異なる人たちとも同じ活動を共有出来るのも、私にとってのボランティア活動の魅力です。
その一方、部屋の窓と同じで、自分の姿が映し出される瞬間もあります。
「自分ってこれが楽しいんや!」と知らない自分のモチベーションに気づける瞬間もあれば、「自分って言うて全然やん、、、」と自分の出来ない部分も明らかになります。私は餅つきが絶望的に下手です。
そんな時、地域には必ずそれが得意な方がいます。色んな名人がいます。部員の場合もそうです。部員の中には、小学生に愛される人気者もいれば、楽しそうに人の前に立つ者もいます。そうした人生の“先生”とも言うべき存在ができるのもこれまた魅力です。
あなたにとって「ボランティア」とは何ですか?
やはり、社会に繋がる「窓」です。
ボランティア活動を通じて、私は大学内の学生や職員さんはもちろん、大学外にいる地域の子どもたち、親御さん、地域にいる方々と関わることが出来ました。
個人的に関わった「南大沢夏まつり」で、地域にいるそれぞれ前職も違えば世代も若干異なる方と接するのが私にとっては本当に楽しかったし、自分の知らない社会を多少なりとも知ることが出来ました。
大学生活のこうしたボランティア活動が私の人生を大きく変えてくれました。
ボランティア活動を通じて、自分の住む地域に思い入れが出来ると考えます。私の場合、大学入学時から住む南大沢地域が好き過ぎて卒論のテーマにしました。
日本全国に住む人が自分の地域に誇りを持てる社会の実現に貢献したい、という思いを生涯貫きたいと思います。
やや大風呂敷を広げてしまいました。
私は「なんかちょっとおもろそう」から入って、「これ楽しいかも」という思いだけで続けてきた所詮口の大きいだけの大学生です。
読んでくれた方のうちに沸いた一粒のモチベーションを、何かしらの形にする手段としてボランティア活動はめっちゃおすすめです!
井上さん、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!
バックナンバー
20 古川 雅文さん(システムデザイン研究科 機械システム工学域 博士前期課程1年)
12 沓掛 丈さん(理学研究科 生命科学専攻 博士後期課程1年)
10 小松 来夢さん(システムデザイン研究科 電子情報システム工学域 博士前期課程1年)
01 山﨑 航輝さん(人文科学研究科 教育学教室 博士前期課程2年)