学生の声 12 -ボランティアを通じて活動する学生の声を届けます-


今回は、いきもの!サークル東京の

沓掛 丈さん(理学研究科 生命科学専攻 博士後期課程1年)に、
色々とお聞きしました!


ボランティアをやろう!と思ったきっかけは何ですか?

私の場合ははじめからボランティアをやろう!と思って活動していませんでした。私のボランティア活動は、私自身が多様な生物の存在に”驚かされた経験”から多様な生物を展示する活動をしようと決心したことで始まりました。その”驚き”は本当に果てしないものでした。動物園ではキリンやゾウを始めとした動物たちをみることができますが、その動物たちはそれを見る私達も含めてみな哺乳動物であり、生物全体からみれば一家族程度のものだと知ったときの驚きや衝撃は忘れられません。その驚きを経て、園路を歩く私達と展示室に佇む彼らの間に立つ柵の上に目をやると、巣を張るクモやそこにぶら下がるミノムシ、ミノの材料にされた植物片があり、それらの多様性に気付かされました。それらを観察しようと身を乗り出して柵の手すりに手をかけていると、手が白くなっていることに気が付き、調べるとそれは手すりに張り付いていた地衣類の一部が手に付着したものだと知ってさらに驚きました。生き物を見ているなかで、さらに見えていなかった生き物に気付かされまた驚かされるのです。ひとつ気付くとまたひとつ見つかる。そんな果てしない奥深さと多様さを持つ生物に私は引き込まれていました。その興奮は凄まじいもので、とても誰かと共有したくてたまらなくなりました。そして、その視点や驚きを、みんなにも体験して知ってほしいと思うようになりました。そこで、私はいきもの!サークル東京という団体を設立し、志を共にする仲間を集めながら、節足動物園などの展示活動ほか様々な活動を通じて生物の魅力と知識を発信してきました。あとになって、これは教育普及活動というれっきとしたボランティア活動であったことを知りました。今思い返せば、ボランティア活動のきっかけは生物の多様性に驚かされたことだと言えます。

今まで取り組んできたボランティア・今取り組んでいるボランティアは何ですか?

<生き物の展示活動>

節足動物園や都立大いきもの園といった名称で活動しました。毎年、みやこ祭で複数の教室にまたがって生き物と解説パネルを展示したり、一部の動物ではふれあい体験を実施したりしました。また、活動数年目からは横須賀市文化会館で開催されるみんなの理科フェスティバルや八王子地域合同学園祭☆学生天国☆、イオンモール多摩平の森の大学生ボランティア活動展など、様々な場所へ出張展示も行いました。

<谷戸田ビオトープ活動>

南大沢キャンパスの森林内にはかつて田んぼだった場所があり、そこを再度田んぼとして再生して利用することで、今では少なくなった田んぼ・湿地環境の生き物のビオトープとする活動をしました。谷型の地形(=谷戸)にある田んぼのビオトープなので、谷戸田ビオトープと呼んでいます。活動前は土砂や雑草によって水面が失われていましたが、それらを一部かき出して、自然に湧いている水をうまく分配する水路やため池を整備しました。さらに、学生や近隣の方がビオトープで生き物観察できるようにと、案内看板や簡易的なベンチも設置しました。もちろん田植えや収穫も行いました。その結果、絶滅危惧種とされる生き物が複数確認されるようになったほか、地域の子供達が湿地性の生き物を観察する場として利用され始めました。さらに地元中学校の理科部を招待して生物や環境について体験的学習の提供することも行いました。

 ほか、個人としてゴミ拾い運動や里山整備、ボランティアセンター主催のたけのこ掘りなどに参加してきました。


 
       




ボランティア活動を通じ、一番印象に残っていることは何ですか?

仲間とのぶつかり合いです。今は解決していますが、団体のあり方や活動の方針に食い違いが生じて、どうあるべきだとか、こうあるべきだとか、真剣に話し合いました。そしてそれを経て、一緒に活動を続けなくなる仲間も居ました。しかしこれは活動に携わるみんなが熱い情熱を持っていたからであり、主義主張を押し込めることも遠慮することもなく、やりたい人がやりたいようにやっていたからこそ生じたものでした。ぶつかり合う中でも生き物を蔑ろにするような思考は誰の頭にも一切なく、全員が生き物を一番に考えたうえで何を二番に据えるかでぶつかっていたと思います。とても良い仲間と出会い、活動できていたのだと感じました。
 活動を通じて、一般の方に生き物の魅力を伝えることができた瞬間の嬉しさや充実感も当然印象深いものではあります。ただ最も印象に残っているのは、真剣に情熱をさらけ出して議論し合った仲間たちとの時間です。
 

これからやってみたいボランティア活動はありますか?

まだまだ伝えきれていない生き物の魅力がたくさんあります。伝えに行けていない地域もあります。それを伝えられるように展示活動をより充実させるとともに広げていきたいです。
 また、私は今も魅力に気付き続けていて驚かされ続けています。ボランティア活動を通じて、私も新しい魅力をどんどん発見していきたいです。
  

ボランティアの魅力を一言でいうと?


  利益ではなく想いに先立つボランティア活動には情熱がある。
  

あなたにとって「ボランティア」とは何ですか?


  やりたいことをやって、それが人のためになったときに、与えられる称号だと思います。


沓掛さん、ありがとうございました!

次回もお楽しみに!

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